桂雪会について

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御家流香道 桂雪会(けいせつかい)は、昭和38年(1963)にホテルオークラの創業者、大倉喜七郎夫人・華桂(かけい)様と英文学者の原田治郎夫人・聴雪(ちょうせつ)様の下に、沖田武子(早大競争部名誉会長、ベルリンオリンピック監督沖田芳夫夫人),江平達哉等を中心に30名程の香人が集まって発足しました。

伝統芸能は往々にして権威主義と虚飾性を身にまとっており、初心者はそれに心ひかれてしまうものです。桂雪会はその反省の上に立って、香道を自由に探求し、楽しみ、それを通じて日本文化への理解を深めようという趣旨で出来たグループです。又、御家流の香道は本来アマチュアリズムです。

香木の効用を十ヵ条にまとめた『香の十徳』という宋時代からの訓があります。その第一は「感格鬼神」です。香を聞く(=嗅ぐ)とき、心が無意識の底に向いて、清らかに開いていくというような意味です。

香道と申しますと何かいかめしく聞こえますが、茶道などと同じく、何人かの人が一座して香を焚き、その香りを味わいつつその情趣を楽しむもので、室町時代に起こり、江戸時代にほぼ現在の形に完成した伝統芸能です。

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香木を使う国はほかにもありますが、香木を用いて芸能としたのは日本だけで日本人の感性の鋭さと優雅さの表れのように思います。昔から香は気分を晴れやかにする物といわれています。良いお香を聞いている時は、何とも言えず幸せを感じます。ふだんのお稽古は、組香というものを中心にしており、組香のテーマを通じて、遊びながら古典に歴史にいつの間にか興味を持ち、勉強するつもりもなく、ただただ楽しんでいるうちに、いろいろな知識が身につき、物を考えるようになり、審美眼も養われるというのも香道の大きな効用です。

このような香道というすばらしい芸能を多くの人に知ってもらい、次の世代へ伝える為に、団体を作りました。お稽古場は、会長の自宅稽古場他、発足当時からの産経学園・読売文化センター・目黒学園・コミュニティクラブたまがわ等へと広がっております。

会発足の翌年(1964)から、会員の勉強と親睦の為、機関紙「桂雪」を刊行しております。また、毎年1月に「初会」、5月に百炷香会、10月に「秋の香筵」を開いております。

現在、会長は熊坂久美子、副会長は伊藤香夜子、理事長は安藤裕子が務めております。